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山岳ライター小林千穂さん 熊野古道伊勢路 旅の記録

小林千穂さんの視点を通して大自然や山の魅力はもちろん、地元の方々との交流を通して各地の歴史や文化に迫り、古代信仰の足跡や世界遺産の巡礼道を辿ります。もちろん美味しいグルメの数々も。
伊勢路が体感できるわくわくする伊勢路旅ブログ、ぜひご覧ください!

1日目伊勢内宮〜外宮〜田丸 
距離約13.5km

歩行距離:
約20.4km
行動時間:
約8時間
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
7:00

伊勢シティホテルを出発

伊勢市駅前の伊勢シティホテルで朝食を頂き、出発!

7:34

まずはバスで内宮へ

※外宮から内宮へお参りするのが正式な順序ですが、伊勢路の都合上、今回は内宮へ先にお参りさせていただきました。

8:00

内宮参拝

大きな鳥居が迎えてくれる内宮。
さあ、お参りしたら歩き旅のスタートです!

9:00

おはらい町・おかげ横丁

やっぱりおはらい町、おかげ横丁は行かないと。
かわいいものがたくさんあるお店を発見!
干物屋さんにもふらり…。次は伊勢醤油のお店〜。(初日からどれだけ買うのかしら)
伊勢といえばやっぱりここ赤福本店。
これも忘れちゃいけません。へんば餅。
昔の人もここでお餅を食べて歩く力をつけたのでしょうか?

そろそろまじめに歩かないとね。

11:00

内宮から外宮へ

内宮おかげ参道(地下道)を通り、宇治浦田観光案内所でスタンプをゲット!
伊勢路スタンプをすべて集めると記念品がもらえる、ということで集めていきたいと思います。

猿田彦神社に寄り、伊勢路旅の安全を願ってお守りを授かりました。
江戸時代とても栄えた歓楽街古市(ふるいち)へ。
伊勢古市参宮街道資料館で古市の歴史について教えていただきました。芝居跡や遊郭の跡を示す石標があり、往時をしのぶことができます。

12:00

外宮参拝~昼食

勢田川を渡ると外宮はもうすぐ。
外宮前に到着し、観光案内所で2つ目のスタンプをゲット!
その後、外宮にお参り。外宮も緑がきれいで落ち着きます。

近くにある食堂でお昼。もちろん…名物、伊勢うどんをいただきました。
とってもやわらかくておいしかったです。

13:00

外宮~田丸へ

街道に戻ると今回の旅の最終目的地である新宮までの道標が。
ここから新宮まで166kmとあります。まだまだ遠い。

昭和の雰囲気が残っている商店街を抜け、宮川堤に上がり、桜並木を歩きます。
昔は舟で渡っていた宮川を渡会橋で渡り、旧街道の雰囲気が残る道を進む。
参宮線の踏み切りを渡ると今日の目的地、田丸に到着!

16:00

田丸城跡

伊勢路をちょっと外れて南北朝時代に築かれたという田丸城跡へ。
野面積みの石垣が美しい石垣は戦国時代、織田信雄(のぶかつ・織田信長の子)によって築かれたと伝わります。

天守跡まで上がると今日、歩いてきた道が見渡せました。
そして反対は…明日、歩く道。

17:20

栄亭旅館

初日の宿は田丸駅近くの栄亭。おかみさんは熊野古道世界遺産登録10周年(2014年)の時に全部歩いたそうで、これからのコースについていろいろ教えていただけますよ。

設備はシンプルですが居心地のいいお宿。
さて、明日はどんな旅になるのかな。2日目へ続く〜

2日目田丸~女鬼峠~折原 
距離約19.5km

歩行距離:
約22.5km
行動時間:
約7時間30分
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
8:00

栄亭旅館を出発

玄関前の伊勢路から歩きはじめます。

8:00

田丸~多気

旧街道をたどって外城田(ときだ)川を渡り県道13号を西へ。
しばらく行くと土に埋もれたお地蔵様が夢枕に立って掘り出されたという言い伝えがある接待地蔵尊が迎えてくれました。
柿畑やキャベツ畑をみつつ、三十三体のお地蔵様が並んでいる石佛庵へ。旅人が安全を祈願するということでしっかりお願い。
田んぼの中に森が浮かんでいるような伊勢神宮摂社であり、農耕の神さま朽羅(くちら)神社、古い石塔が並ぶ永昌寺、神さまのお名前がずらりと並ぶ西外城田(にしときだ)神社をお参りしたら再び伊勢路を歩きます。

11:00

まごの店

伊勢路の栃ヶ池から1kmほど西へ行ったところにある「まごの店」へ。
相可(おうか)高校食物調理科の生徒さんたちがメニュー考案から調理・接客まで行っていて、ドラマ「高校生レストラン」のモデルでも有名。すぐ満員になってしまうぐらいの人気です。一番人気の花御膳をいただきました。どれも割烹料理屋さんの食事のようにおいしかったです。

13:00

女鬼(めき)峠

県道119号沿いに出てしばらく歩くと、ここにきて山がだいぶ近くなってきました。
そして伊勢路最初の峠、女鬼(めき)峠の入口に到着。いよいよ峠越え。
案内板で、スタンプをゲットしたら登りはじめます。

人だけでなく、荷車も通ったので轍が残っているんですよ。
峠の上部では硬い岩を切り開いて道を通した切り通しや、峠越えの旅人を見守った石碑、石仏も残っていました。
女鬼峠は高低差100mにも満たない小さな峠。距離は約1.8km。
ここをのんびり歩いて40分ぐらいで抜けました。古道歩きらしくなってきましたね。

13:40

大台町~栃原

峠を越えると、お茶畑の向こうに茅葺き屋根の鄙茅(ひなかや)という日本料理のお店が。ガラス張りの囲炉裏のステキなお部屋の向こうには宮川の流れ。
ここは鮎の甘露煮で有名な「うおすけ」というお店が経営しています。
鄙茅さんのぶ厚い茅葺き屋根は、見るだけでも価値があると思いますのでぜひ寄ってみてください。

伊勢路に戻ってこの先は旧街道を歩きます。
高さ150㎝もある背高のお地蔵さんと背比べをしたのですがカメラで撮るのを忘れてしまった〜。
県道709号と合流したところに浄保法師五輪塔の案内が立っていました。
このあたりに伝染病が流行ったとき浄保法師は自ら生き埋めになって病気がおさまるよう、仏の救いを求めたと伝わっています。

14:00

柳原観音千福寺

旧道に戻って聖徳太子が作ったといわれている観世音菩薩が本尊の柳原観音千福寺にお参り。お寺の奥へゆくと・・・わあ、宮川がよく見える!
宮川はここで大きく蛇行し、その様子を見られる場所はここだけなんですって。
通り過ぎてしまったらもったいないというぐらいの眺めでした。

14:30

元坂酒造

旧街道沿いを行くと文化2年(1805)創業の元坂(げんさか)酒造があります。この日、7代目にあたる専務が特別に酒蔵を案内してくださいました。
酒蔵見学スタートです。

元坂酒造ではこの地を流れる宮川の伏流水を仕込み水とし、「伊勢錦」という貴重な種類の米を使った酒づくりをしています。麹部屋や発酵タンクの様子や、麴の試食などもさせていただきました。ぜひお土産に買って帰りたいと思い悩みに悩んで選んだのが…伊勢錦で作られた酒屋八兵衛の山廃純米酒。
2016年開催の伊勢志摩サミットでランチの食中酒として提供されたそうです。
あ、またまた寄り道しちゃいました。

16:30

岡島屋

県道709号を進み、栃原駅周辺、紀勢本線を渡ると旅館岡島屋さんに着きます。
健脚の方は伊勢から1日でここまで来るそうです。

客室は昭和の懐かしさにあふれて心休まる感じ。一方、お手洗いやお風呂は新しく改修されていてとっても快適。Wi-Fiもバッチリ。外国からのお客さんも、積極的に迎えているそうです。
夕食は海のもの、山のものを取り入れた手作りのお料理でした。

歩く旅っていいなぁとしみじみ思い、この日も充実した旅になりました。

3日目折原~三瀬谷 
(台風の為、お休み)

  • ※台風接近の為、安全確保を優先し車移動・周辺施設への変更を行いました。
  • ※3日目の行程は番外編をご覧ください。
9:00

岡島屋を出発

今日は三瀬谷まで歩く予定だったのですが台風接近で朝から大雨。
やむなく休止としました。
車で今日の目的地である三瀬谷へ向かうことに。車って速いですね…。

9:30

道の駅 奥伊勢おおだい

三瀬谷駅近くにある道の駅「奥伊勢おおだい」。
物産品の販売コーナーには奥伊勢名物のお餅がたくさん。
わいわい広場では芋煮会が行われており、「無料振舞い」の看板につられて行ってみると…
おばちゃんたちの手作りの芋鍋とミカンが入ったパンナコッタをいただきました。

無料振舞いの横ではミカンの詰め放題をやっていました。1回100円ですって!
互い違いに詰める作戦で、ミカンを8個ゲット!
得したわ〜と思っていたら詰め放題コーナーのおじさんが2個もオマケしてくれました。

道の駅 奥伊勢おおだいでは毎月のように特産品の無料振舞いのイベントをやっているそうです。

道の駅に併設されているとってもおしゃれな「奥伊勢テラス」では大台町のヒノキ、クロモジ、タムシバなどの木から抽出されたエッセンシャルオイルとかアロマウォーターなどが売られています。

11:30

奥伊勢フォレストピア

雨の日は温泉でまったりもいいなと思い奥伊勢フォレストピアというリゾート施設の中にある宮川温泉へ。

フォレストピアは木をたくさん使った造りできれいな建物でしたよ。
いわゆる重曹泉で、お湯は緑色っぽい感じです。温泉に浸かってゆっくり休ませてもらいました。
お昼はフォレストピアでランチバイキング。手作りのお料理でおいしかったです。

フォレストピアではバーベキューガーデンやコテージもあり宮川周辺の自然を楽しみながらゆっくり過ごせます。春から夏もいいでしょうね。

15:00

旅館萬栄

明日に備え、三瀬谷駅まで戻り旅館萬栄さんに泊まりました。
夕食はお刺身やさんまの開きなど海の幸プラス、お肉の炒め物でした。
おいしいものいただきすぎて170km歩いてもぜったい太る〜!(予感)
4日目へ続く。

4日目三瀬谷〜三瀬谷峠〜伊勢柏崎 
距離約14.5km

歩行距離:
距離約26.4km
行動時間:
約7時間30分
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
9:00

旅館萬栄を出発

雨は上がりましたが風が強かったので予定を遅らせて9時ごろに出発。
栃原〜三瀬谷は宿題として残し、とりあえず先へ進むことに。

9:30

多岐原神社

三瀬坂峠に入る前に伊勢神宮(内宮)の摂社、多岐原神社に寄り道。
倭姫命(やまとひめのみこと)が宮川を渡ろうとしたときにこの土地の神さまである真奈胡神(マナコノカミ)が渡りやすいところを教えて助けました。その縁でここに神社があるそうです。

9:45

三瀬坂峠

2つ目の峠、三瀬坂峠を越えます。峠の入口には杖が用意されていましたよ。
茶畑を見ながら坂を登り始めます。
しばらく未舗装の林道を歩いてやがて山道に。
前日までの雨で山道が小沢のようになっていてサワガニがたくさんいました。
峠には宝暦6年に造られたという宝暦地蔵が祀られていて三瀬坂峠を越えると国道42号に出ます。

11:00

瀧原宮

国道沿いに続く旧街道を歩いて瀧原宮をめざしました。
天照大御神(あまてらすおおみかみ)が伊勢に落ち着く前、一時期ここに祀られていたんですって。だから元伊勢とも言われているんですね。

社殿は杉の大木を中心に左右に同じものが2つ並んでいます。
向かって右側が瀧原宮で、左側は瀧原竝宮(ならびのみや)。
それぞれ天照大御神の和御魂(にぎみたま)と荒御魂(あらみたま)が祀られています。

12:00

奥伊勢木つつ木館

瀧原宮にお参りしたあとすぐ近くにある道の駅「奥伊勢木つつ木館」で新しいスタンプゲット!
ここでお昼としました。
道の駅はお手洗いもあるし、歩き旅にもとっても便利。
さて、伊勢路に戻って先へ進みましょう。

12:50

古民家カフェ

伊勢路には今では珍しい古い建物が多く残っているので見つけるのが楽しみになっています。
かわいい看板発見。古民家カフェ?おもしろそう。
ということで、ランチのデザートは三重県産の牛乳、卵、ほうじ茶を使っているほうじ茶プリンにしました。
ランチもやっていて、お食事には明治時代の食器も使っているとか。
築130年だそうで、落ち着いた雰囲気。のんびりとしたいステキなお店でした。

紀勢本線

紀勢本線を渡り、サッパリした線路だなぁと思ったら電車の架線がないんですね。
電気じゃなくてディーゼルエンジンで動いているそうです。
動力が電気じゃないということは…なんて言うの?

13:40

阿曽湯の里

小学校だった建物を改装、再利用している大紀町営の温泉施設。
廊下や教室の雰囲気が残っていておもしろかったです。
温泉はさらりとした感じ。香り、色はほとんどありません。
長湯するとそのあと歩くのがつらくなるのでさっと上がりました。汗を流せて気分リフレッシュ!
途中で温泉に入るのもいいものですね。

16:00

大皇神社

柳原公園、ここにもお手洗いがあります。その先に大皇(だいこう)神社がありました。
凜とした空気が流れ、独特の雰囲気がいいので時間があれば立ち寄ることをおすすめします。
ここには惟喬(これたか)親王が主神として祀られています。
惟喬親王といえば平安時代前期、文徳(もんとく)天皇の子で木地師の祖といわれる興味深いお方。
なぜこの地に祀られているのかとっても気になります…。

16:40

山海の郷紀勢

山海の郷紀勢に寄ってスタンプゲット。
ここではカツオの生節、サンマの開きなどいろいろな海産物を買うことができます。

16:50

大蓮寺

柏崎支所まで来ました。
ここのしだれ桜がすばらしいです。春にもきて見たいなぁと思いました。
今日の宿、紀勢荘はすぐですがもう一箇所寄り道、花のお寺として知られる大蓮寺。
ホトトギスが咲いていました。本堂にお参りし、ちょっと休ませてもらいました。

17:15

紀勢荘

波板ガラス、角の丸い窓枠などがレトロな感じ。そして、どこもよくお掃除されていてピカピカ。
お料理はどれもおいしい魚づくし。
紀勢荘のおかみさん、とっても気さくな方で(お話好き?)お母さんみたいに旅人をもてなしてくれ、ご主人もいい方でしたよ。

5日目に続く…。

5日目伊勢柏崎~古里 
距離約26.0km

歩行距離:
約30.0km
行動時間:
約9時間
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
7:00

紀勢荘を出発

おかみさんに見送られて元気に出発!
今日は長丁場ですよ〜。

7:00

伊勢柏崎~紀伊長島

紀勢本線と紀勢道のそばを歩き、杉林の道、大内山川沿いを歩き、山道へ。
赤テープを辿って芦谷橋という木橋を渡って
大内山動物園の看板先で国道42号を渡り再び旧道へ。しばらく行くと大内山駅。

国道42号から歩いていると牛乳瓶の上に牛が立っている?いや、座ってる牛のモニュメントが。
大内山といえば牛乳!
地元の方に人気のミルクランドのイチオシは黒糖寒天バニラソフトクリームとシュークリームですが、肝心の大内山牛乳を飲むのを忘れた〜!と気づいた私でした。

8:40

荷坂峠

牛のモニュメントの先で伊勢路は荷坂峠とツヅラト峠の2つに分かれ、
紀伊長島でまた合わさります。
熊野古道が開拓されたころの本道ツヅラト峠ではなく、
伊勢と紀伊の国境で、江戸時代の初めごろから主に使われるようになった荷坂峠を行くことに。

さぁ、いよいよ世界遺産ゾーン!
世界遺産として登録された熊野参詣道には石碑があるそうです。
世界遺産に指定されている峠には100mごとに木の道標も立っています。

「01/12」の表示は、荷坂峠は1.2km、今は起点から100mのところにいるというように現在地がわかるこの標識がとっても便利でした。
荷坂峠は、ほとんど登りがなく下り基調で楽々です。

途中、右へひと登りすると沖見平に出て、その名の通り海が見えます。
内宮を出発してからこれまた初めて見渡す海。(荷坂峠は初めてのことが多いです)海が近い!

荷車も通れるようになだらかな明治道と、直登に近い急坂の江戸道がありますが、明治道をゆくことに。おかげで楽々と越えて林道に出ました。
林道には、獣が畑などを荒らさないように石垣が積まれた「猪垣(鹿垣・ししがき)」があります。この先随所で見られるんですって。へぇ〜。

12:40

道の駅「紀伊長島マンボウ」で昼食

しばらく歩いて道の駅「紀伊長島マンボウ」に到着。
なぜマンボウなのかしら?と思ったら
紀伊長島ではマンボウを食べる文化があるそうです。
伊勢路の目的はこの地の文化を知ることでもある。
キュートなマンボウだけど…ここは食べてみるしかないでしょ!ちょうどお昼だし。
ということでマンボウのフライ定食を注文。
味はシンプルな白身魚でした。

ありがたくマンボウをいただき、道の駅の裏手に続く桟橋を行くことにしました。
だって片上池を見ながら歩けるステキな道が続いているんですもの。

13:30

魚まちあるき

桟橋をたどっていくとカッパが置かれたおしゃれなカフェ。
ここのマスター植田さんは魚まちのご出身で魚まちのガイドをされているとのこと。
私はてくてく歩いて魚まちへ移動し植田さんと合流、魚まちガイドツアー、出発します〜!

まずは眺めのいい江ノ浦大橋へ移動。…わぁ、家がびっしり!
以前は映画館が何軒もあったぐらい漁師町として栄えたんですって。
船が通るときだけ橋が上がる江ノ浦港昇降橋や、
津波の犠牲者を供養する津波流死塔がある仏光寺などに立ち寄り、
大正時代に公衆浴場として建てられた休憩所へ。

休憩所では悪さをするカッパをこらしめる「かんからこぼしと治郎左衛門」という
この地に伝わる昔話の影絵を見ることができます。
あ〜!だから植田さんのカフェにカッパがいたんですね。
休憩所お向かいのおじさまがかんからこぼしとどのような関係かは…魚まちを訪ねてのお楽しみ。
私は驚きと感動のあまり、「うっそ〜!!!」と大きな声をあげてしまいました(笑)。

ショートバージョンでしたが、地元の方にガイドしていただき、充実した魚まち散策となりました。

14:30

紀伊長島~古里

植田さんと別れて伊勢路をさらに進みます。
しばらくは国道42号を歩き、造船所(長島造船)を越え、踏切を渡ると一石(いっこく)峠の入口。
丸い頭がかわいらしいお地蔵さまが迎えてくれました。
短く、高低差もあまりないのですぐに越えられます。

16:30

紀伊の松島

古里集落の中にある旅館・紀伊の松島さん
贅沢にも離れのお部屋に泊まらせてもらいました。
お料理がとってもおいしいです。
ユメカサゴの煮付け、サバフグの唐揚げなどめずらしいお魚も食卓に並びましたよ。

松島さんにもお風呂はありますが、せっかくなので歩いて数分のところの
きいながしま 古里温泉へ。

1日たっぷり歩いても
おいしいものをいただいて、温泉であたたまり、ぐっすり眠ると
また翌日は元気復活するよ!

6日目古里~三浦峠〜始神峠〜相賀 
距離約16.0km

歩行距離:
約22.5km
行動時間:
約7時間30分
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
9:00

紀伊の松島出発

今日も元気に出発〜!
朝、松島のおかみさんが見送ってくださいました。
古里、海の幸がおいしく、温泉もあってまた訪れたい場所のひとつとなりました。

この日は三浦峠と始神峠、2つの世界遺産ゾーンを通って相賀をめざします。

9:00

古里~三浦峠

このあたりからみかん畑を見るようになりました。
今日の行程を歩く前に海岸へ寄り道。
静かな波が砂浜を洗っていました。夏は人気の海水浴場になるんですって。

国道を少し歩いて古里トンネル手前から遊歩道。すぐにステキな「サボ鼻道展望台」があります。
展望台からは・・・わあ、海にたくさんの島が浮いています!
あずまやの柱が額縁のようです。ここで一日読書して過ごせたらいいな〜。

赤い橋を渡って防波堤を歩いていきます。海を見ながらのーんびり。
この美しい場所は道瀬海岸。「紀伊の松島」と言われるのもわかります。
海岸から離れると三浦峠越えです。

入口には距離や所要時間が書かれた案内板がありました。
三浦峠は世界遺産指定の峠道。石のモニュメントが迎えてくれます。
100mごとの道標。1/18だから、峠は1.8kmですね。峠は深い切り通しになっていて標高は113m。
三浦峠を越えて、里道を歩き、三野瀬地区に入りました。通る車も少なく、集落のなかをのんびり歩けます。
このあたりの駅は、特急が止まるところ以外無人のようです。三野瀬駅も小さな建物があるだけでした。

12:00

始神峠

踏切を渡って海辺へ。陽の光に海面がキラキラ光っています。
まぶしい〜!気持ちいい〜!
そして、この先から始神峠に入ります。

入口は始神さくら広場として整備されていてお手洗いや自販機もあります。
桜がたくさん植えられている。やっぱり春にも歩きたいなぁ〜。
水力発電所建物の裏を歩いて行くと…4km道標がありました。
新宮まで82km。伊勢まで84km。ということは、このあたりで伊勢路の中間地点だ!
もう半分かぁ。早いなぁという感じでした。

さあ、世界遺産の始神峠を歩きます。
伊勢路のなかでも、景色のいい峠で知られている始神峠は1.6km。
この峠は橋で沢を何度も渡ります。
そして、標高147mの始神峠に到着。スタンプもゲットしました。
楽しみにしていた峠からの景色は…想像以上にすばらしかったです。
半島が複雑に入り組み、島がいくつもいくつも頭を出しています。
雨の後だということもあったかもしれませんが私の中で始神峠は、沢のきれいな峠というイメージです。
峠を下り、宮谷池を越え、里道をしばらく歩くと馬瀬側の登り口に到着。

ここにある民家の庭に、峠越えをする人が休憩できるあずまやが造られており、ありがたくひと休みさせてもらうことにしました。

15:00

相賀

旧道に入り左に太田沼を見ながら歩きます。
春は桜、夏前はアジサイ、冬はサザンカがきれいなんですって。
大河内川を渡り、旧道に入ったところのお地蔵さまを通り、八重垣神社に寄り道。
ここには神宮遥拝所がありました。
伊勢へ行くことが難しかった昔はここでお参りしていたのでしょう。

この先に明治43年に建てられた洋風の建物がステキな海山郷土資料館があります。
個人の別館でしたが今は郷土博物館になり、いろいろな時代のものが展示されています。
なかでも私の目をひいたのは狼の記録。江戸時代は伊勢路を旅する人も狼に襲われたとか。
今は絶滅してしまったニホンオオカミ、この地にもいたんですね。

あっ、今日はまだ先が長かった〜。
先へ進まないと!旧道をまたまたてくてく。

17:00

民宿ささき

旧道と国道を歩き(というか走り)、海山インターを越えて薄暗くなるころ相賀神社に立ち寄り、白石湖のほとりにある民宿ささきさんに到着。
とっても眺めがいいお部屋に泊めていただきました。清流・銚子川も近くです。
そのお話は7日目に続く〜。

7日目相賀〜馬越峠〜尾鷲 
距離約12.5km

歩行距離:
7.25km
行動時間:
約5時間30分
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
6:00

銚子川

早起きして日本有数の透明度を誇る銚子川河口へ。
今回の旅で、この川を見ることを楽しみのひとつにしていました。
透明度が高く、河口付近の海水と川水が混ざるところの濃度の違いから水にガムシロップを入れた時のようにもやもやとしたものが見られ、その場所をゆらゆら帯といい、Googleのマップにも「ゆらゆら帯」って載っているんですよ、でも私が歩いた道からは見られませんでした。

お腹が減ったところでささきさんに帰って朝食をいただいて出発!
お魚のお料理がとってもおいしかったです。特に夕食の魚介グラタンが絶品でした〜。

8:00

馬越峠

さて、この日は前半のハイライト、馬越(まごせ)峠を歩きます。
標高522mの天狗倉(てんぐら)山にも行くので古道歩きというか、登山です。
馬越峠を登る人の多くが立ち寄る道の駅「海山」。
店内にはいろいろな物産品がありますが私が買ったのは「銚子川の水」。
馬越峠を歩きながら飲みたいと思います。
そして、ここで馬越峠を案内してくださる語り部の川口さんと合流。
よろしくお願いします!

馬越峠は石畳が美しいことで有名。この石畳は主に江戸時代に作られたそうです。
馬越峠は2.2km。今まででいちばん長いです。でも、石畳があることで自然と歩幅が狭くなり、歩きやすい。
石畳がある馬越峠は熊野古道のイメージそのままでした。
これだけしっかりした石畳がつくられたのはこの土地は雨が多く、大雨で道が傷むのを防ぐためだそう。この馬越峠で感動したのは江戸時代に描かれた「西国三十三所名所図会」と地形がほぼ変わっていなかったこと。
このあと、絶景ポイントの天狗倉山に登ります。

11:40

天狗倉山

天狗倉(てんぐら)山は馬越峠から南へ30分ぐらい行ったところにあり、展望のよい山として人気。
私も伊勢路に来る前から知っていて、登るのを楽しみにしていたんです。

でも、馬越峠から天狗倉山へは急登の連続。語り部の川口さんも付き合ってくださいました。
急坂をゆっくり登っていくと巨岩が見えてきます。すごい迫力!
そして…ほぼ垂直なハシゴがかかる大きな岩、これを登れば天狗倉山山頂。
あー! ここ、ここ。写真で見たことのある天狗倉山に来た〜!
そこからの展望は…尾鷲の街や尾鷲湾がきれいでした。

本当は天狗倉山先のおちょぼ岩や馬越峠の北側にある便石(びんし)山にも行きたかったんだけど、いつになっても尾鷲に着かないのでまたの機会にしたいと思います。
前半のハイライトであった馬越峠、とっても楽しかったです。

14:30

銚子川

馬越峠を下りたあと尾鷲から海山へ戻り、川口さんがなんと銚子川の上流へ連れていってくださいました。
銚子川ブルーを再び見ることができた〜!
下流域よりさらに水が澄んでいたように思います。

川口さんとはここでお別れ。楽しい一日をありがとうございました。

15:45

尾鷲

馬越峠から下りて来て北川を渡る手前、右側に尾鷲神社があります。
宝永4年(1707)と安政元年(1854)の大津波で神社の記録がすべて流されて古いことはわからないのですが700年ごろ(大宝年間)には、すでに神社があったそう。

尾鷲神社の隣には金剛寺があります。
仁王門が大きかった〜!
大きな神社やお寺があることからも林業の街として栄えた歴史が感じられます。
このあたりは木材を運ぶトロッコ道が通り、大きな倉庫があったそうです。

尾鷲観光物産協会に寄るとおもしろい観光情報が得られますよ。
あぁ、おわせ棒。
全部制覇を狙っていたのですがお店が閉まっていたりして一本も食べられず…(T_T)

尾鷲の街の中も古い建物が何軒か残っていました。
伊勢路沿いにも気になるお宅が…異国のようなヤシの木?とそれ以上に気になる門構え。
とっても長〜い壁が続いていてその端にも大きな門。
地図では「土井子供くらし館」となっていますが、おばあちゃんがいたのでどのような方のお屋敷ですか?と聞いてみると、材木を扱っている土井家のものだと教えてくれました。
尾鷲は古くから山林を経営する企業がいくつもあり、土井家がその頂点だったそうです。
お屋敷のりっぱさも納得。
いいものを見せていただきました。

さて、尾鷲まで来たところでひと区切り。
ホテル望月さんに泊まって、翌日一度仕事のために私は自宅へ戻りました。
でも、伊勢路旅はまだまだ続く…。

番外編熊野古道センターと夢古道おわせ

9:00

熊野古道センター

尾鷲まできたところで仕事のために一時自宅へ帰るのですが、午前中に尾鷲にある三重県立熊野古道センターに行ってきました。
熊野古道が世界遺産に登録されたことを記念して平成19年にオープンした、ビジターセンターで、展示パネルだけでなく、映像でも古道のことを知れるように工夫されています。

11:00

夢古道おわせ

熊野古道センターを出て、すぐ上にある「夢古道おわせ」へ。
ここは温泉ではなく、海洋深層水のお湯に入ることができる「夢古道の湯」があります。
露天風呂では酸性、アルカリ性、両方のお湯に入れます。

「夢古道おわせ」では「お母ちゃんのランチバイキング」が人気。
地域の食材を利用した素朴なお料理をバイキング形式で楽しめます。

お風呂に入りお腹いっぱいになったところで一度伊勢路を離れます〜。
後半の旅に続く…。

番外編ツヅラト峠と栃原〜三瀬谷

伊勢路旅、後半のスタートですが、
その前に私には歩くべきところがあーる。

それは…3日目に台風で歩けなかった栃原〜三瀬谷。
そして、梅ヶ谷で分かれるもう一方の峠、ツヅラト峠を歩くこと。

13:00

ツヅラト峠

つづら折れになっていることが由来のツヅラト峠は1.8km。
きれいな林の中を登っていきますが、登りはそんなにキツくなかったですよ。
この峠は伊勢と紀州の境でもあります

ツヅラト峠では谷地形のところで道が崩壊するのを防ぐためにつくられた野面乱層積みという石積みが見られます。

14:30

栃原〜三瀬谷

車で栃原まで戻って台風で歩けなかった栃原〜三瀬谷区間を歩きました。

深い渓谷を行くおもしろい道だというのですがその入口まで来ると…トンネル?
この時は雨のあとでトンネルの中を沢が流れていて濡らさないように歩くのにドキドキしました。熊野古道にこんなところがあるなんておもしろい!
※水量の多いときは危険なので、歩かないでくださいね。

トンネルを出ると沢沿いを少し歩きこの後は普通の山道を行きます。
馬鹿曲橋や神瀬という集落に入る手前から旧街道に入ると多種神祠(たしゅしんし)という4つの珍しい祠が奉られている道を抜け、猿木坂に入ります。竹林を抜けて沢を渡ると煉瓦造りの眼鏡橋。
猿木坂を出るとお茶畑が広がっていました。そして熊野古道は再び山道へ。
鷹狩りに来た殿様が休んだという殿様井戸を見てさらに歩くと行き倒れ墓碑の案内が。
これは、志半ばに亡くなった人を弔ったものだそうです。
※2017年10月末の台風により通行止めのため、迂回ルートを利用しました。

そして暗くなるころ道の駅「奥伊勢おおだい」に着きました。
ここまできてやっと伊勢路前半の道がつながりスッキリした気持ちで後半に行けます。

では、次は尾鷲からの後半の旅をお楽しみください。
まだまだ続くよ…。

8日目尾鷲〜八木山峠〜賀田 
距離約15.0km

歩行距離:
約20.0km
行動時間:
約7時間50分
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
8:00

出発

後半はいきなり八鬼山(標高627m)を越える伊勢路最大の難所からスタートです。
古道に入ると例の100m道標があります。
01/63。八鬼山は6.3kmもあるんですね。元気に歩くぞー。

このあたりの石畳は江戸時代につくられたと考えられているそう。
ここにも行き倒れ巡礼碑がありました。
案内板によると西国一の難所である、この八鬼山で力尽き命を落とす人もいたそうです。

急坂になる石畳の道をぐんぐん登っていきますよ。
そして七曲がりの難所にさしかかり、つづら折れの坂道がずっと続きます。
でも、道脇にはお地蔵さまがたくさん置かれていて見守ってくれているよう。

桜茶屋一里塚の石碑を見て、蓮華石と烏帽子石を過ぎ、またお地蔵さまが。
八鬼山のお地蔵さまは親しみのわく表情です。

またまた急坂を登ると九木峠に着きました。
登りがつらいときは…お地蔵さまを拝みながらひと休み。
その後もまだまだ登り八鬼山山頂の直下に三木峠茶屋跡があります。
このすぐ上が八鬼山山頂。登りきりました〜。

山頂標識は道から少し入ったところにあります。
この先のさくらの森広場からは戦国時代の海上戦で活躍した九鬼水軍で有名な九鬼の町がよく見えました。さくらの森広場をあとにして八鬼山を下ります。

八鬼山を越えたけどこの日はまだ三木峠、羽後峠、あと2つの峠越えが待っています。
がんばって歩くよ〜!

13:00

三木里~三木峠、羽後峠

標高差600m以上のアップダウンはなかなかキツかったです。
でも、歩いたあとに開放的な海の景色を楽しめるのが伊勢路のいいところ。
沓川を渡って三木里の集落内を歩きます。

ヨコネ道という長く埋もれていたのですが近年、地元の方たちによって掘り出され通れるようになった山道に入り、一度国道に出てすぐに三木峠に入ります。この峠は800mと短いですが歩きごたえはあります。

尾鷲から八鬼山を越えたあと、ヨコネ道、三木峠、羽後峠となかなかの峠越えが続くので昔の旅人はこの区間を敬遠して三木浦から曽根浦まで舟に乗って海を渡ったそうです。

このあたりはずっと石積みが作られています。古い時代の遺跡を探検しているみたいでした。
海の見える場所を過ぎるとやっと羽後峠の登り口に着きました。
ここまでが長かった…。でも登りはじめるとすぐに峠に着きます。
峠を越えれば今日のゴール、賀田はもうすぐ。
羽後峠を下ったところで秋葉山を見てさらに下ると、賀田羽根の五輪塔があります。

16:10

飛鳥神社

本日のお宿(尾鷲シーサイドビュー)のすぐ近くにある飛鳥(あすか)神社。
この神社は巨樹が何本も茂り一見の価値があります。
写真左がクスノキ、右がスギ。樹齢1000年を超えるそうです。
このあたりからは弥生式土器が発掘されているので古代からここは祈りの場だったのでしょうね。ほかにも四本杉などりっぱな巨樹がありますので近くに来たらぜひ寄ってみてください。

16:30

尾鷲シーサイドビュー

海の眺めがよくてとってもいいお宿でした。
賀田湾の入江の奥の方にあるので海といっても湖のように穏やかです。
夕食をお部屋まで運んでもらえるのもよかったです。
お風呂も大きなガラス張りで大展望を楽しみました。

脚は疲れても毎日、大充実の日々を過ごしています。
9日目もお楽しみに〜。

9日目賀田〜二木島〜新鹿〜大泊 
距離約20.1km

歩行距離:
約21.0km
行動時間:
約8時間15分
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
7:00

尾鷲シーサイドビューを出発

尾鷲シーサイドビューを出発して
曽根次郎坂太郎坂、二木島峠、逢神坂峠、大吹峠などを越えて、大泊まで。
今日も山道が続きますよ〜。

8:30

曽根次郎坂太郎坂

さて、曽根次郎坂太郎坂は約4km。けっこう長いです。
約1000年もの長い間、志摩国と紀伊国の国境でこちらが自領(じりょう)、あちらが他領(たりょう)と言っていたのがなまって次郎、太郎になったのだとか。
ちなみに今は尾鷲市と熊野市の境になっています。
これを越えると、もう熊野なんですね〜。
曽根次郎坂太郎坂も苔むした石畳の道を行きます。

12:00

二木島峠・逢神坂峠

この2つの峠はくっついて合わせて約3kmの道のりです。
古道の雰囲気が残る石畳を登っていきます。
逢神という字には伊勢と熊野の神さまが出会うという意味が込められているといいます。
逢神坂峠から新鹿(あたしか)へ向かいます。石畳の道をぐんぐん下ります。
庚申さんの前を通って進むと海に出ました。

到着したのは新鹿海岸。砂の粒子が細かく、きれいな砂浜が広がっています。
新鹿海岸は三重の秘境だと言っていたけれど本当にいい場所でした。

13:00

波田須

さて、海を離れて次は世界遺産の波田須の道に入ります。
ここの石畳は丸みのある石が並べられています。
伊勢路でいちばん古い石畳でなんと、鎌倉時代のものだそうです(江戸時代という説もある)。
世界遺産に登録された道は短く、わずか300m。
でも石畳の雰囲気がいいので、一度訪ねてみる価値アリです。

15:00

大吹峠

道標があるところから大吹峠の登りが始まります。
大吹峠は1.4kmです。竹林の脇を登っていきます。伊勢路は峠を越えて直接大泊へ向かうのですが私は雰囲気のいい観音道を通るため大吹峠で右折。
本来の伊勢路ルートから外れて観音道へ続く「大観猪垣道」を歩きました。
観音道が終わると車道を歩き大泊の町に出ます。
大泊駅に着いたところでこの日はゴールです。
今日の行程も長く、ヘトヘトになったけれどこのあととってもステキな宿に泊まるの。

16:50

里創人 熊野倶楽部

大泊駅から車で20分ぐらいのところにある里創人 熊野倶楽部に泊めさせてもらいました。熊野倶楽部は宿泊・観光リゾート施設です。

お部屋の床は熊野杉が使われています。こんなにいいお部屋を使えるなんて。
癒される〜。今日はどーんと大の字で寝るぞ!

夕食は懐石で、この地の産物をアレンジしたメニューでした。
奉飯というお神酒と神さまの食事をイメージしたお料理ではスタート地の伊勢内宮を思い出し、
子持ち鮎のへしこが出されれば初日の晩、田丸の民宿・栄亭旅館でいただいた子持ち鮎がおいしかったなぁ〜とか、
尾鷲漁港のお魚を口に運びながら天狗倉山から見た尾鷲の景色や八鬼山の長い登りを思い出したりしました。
一品一品味わいつつまるでこれまでの伊勢路旅をもう一度辿っているようです。
熊野倶楽部は伊勢路を辿れるように演出されているのでしょうか?
なんてステキな宿なのでしょう。

思い出に浸りながらお食事を終え温泉に入りに行きました。
広い露天風呂がとっても気持ちよかったです。

翌朝はみかん生搾りジュースをいただきながら朝の景色を楽しむ時間は…なく
運ばれてきたサンマの開きをバリバリとかじって7時過ぎには熊野倶楽部をあとにしたのでした〜

10日目はいよいよ後半のハイライト、松本峠を歩きます。
お楽しみに!

10日目松本峠〜鬼ヶ城〜花の窟 
距離約19.0km

歩行距離:
距離約11.5km
行動時間:
約4時間40分
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
7:00

熊野倶楽部を出発

熊野倶楽部を出発して松本峠の入口にやってきました。
松本峠は伊勢路で最後の峠となります

7:45

松本峠

この日は語り部の山川さんに案内していただきました。
700mと、それほど長くないですが前半の馬越峠とともに美しい石畳が残る道として有名です。
松本峠は大小、サイズの違う石が組み合わされるようにして並べられています。
この美しい石畳は昔の職人技。長い年月が経ってもほとんど変わらずに残っているのです。

峠には1.8mもある大きなお地蔵さまが立っていて、よく見ると足元に丸い穴が空いています。
江戸・元禄時代に鉄砲の名手だった大馬新左衛門はこのお地蔵さまが立てられたその日に
峠に差し掛かかり、朝はなかったこのお地蔵さまを妖怪と勘違いし、鉄砲で撃ってしまったそう。
かなり大きなお地蔵さまなので驚いたでしょうね。
峠から古道を離れて私たちは展望台の方へ向かいました。
展望台にはあずまやがありそこからは七里御浜が見渡せます。

9:00

鬼ヶ城

松本峠を下りこれから鬼ヶ城を歩くのですがその前に…鬼ヶ城センターでひと休み。
いろいろな特産品や今まで見かけなかったおみやげが置かれていましたよ。
真っ黒でツヤツヤしているのは那智黒石。
昔の人は熊野詣の証として、七里御浜などでこの石を拾って帰ったんですって。
今は置物や硯などに加工されたものが売られています。
山川さんが新姫サイダーフロートをごちそうしてくれました。
シュワシュワで甘酸っぱくおいしかったです。新姫は熊野市で偶然に発見された柑橘でタチバナと温州ミカンの交雑種だそう。酸味が強く、さわやかな香りがするんですよ。
喉の渇きが癒えたところでここからしばらく断崖絶壁の海岸沿いを歩きます。

鬼ヶ城は自然がつくった奇景。
岩壁をトラバースする片道40分ほどの遊歩道がつくられています。
断崖絶壁で海面からだいぶ高いところを通り、下を見ると足がすくむところもあります。
上を見ると侵食された岩が大迫力。
波と風によって削られ、その後に地面が隆起して、今のような景観になったそうです。
鬼ヶ城、おもしろい場所でした。

10:15

紀南ツアーデザインセンター

海岸を離れて、木本の街中へ向かい紀南ツアーデザインセンターに寄りました。
建物がすばらしかったです。明治20年に建てられたこの辺りの庄屋さんのお宅を利用したビジターセンターで、周辺の観光情報が得られます。

日本家屋って落ち着きますね。こんな家に住んでみたいです
(お掃除とお手入れが大変でしょうが…)。

10:45

熊野古道おもてなし館

こちらも古民家を利用した建物で和室の休憩所もありました。
熊野市の施設でやはりいろいろな観光情報が得られます。
和小物など熊野周辺の特産品を買うことができます。

11:00

獅子岩

木本の街中から再び海岸に出て名勝、獅子岩を見学。
海に向かって吠えるような獅子の形をした岩。
カッコいいですね〜!
夏はここで花火大会が行われるそう。
獅子岩から七里御浜を歩き、いよいよ花の窟までやってきました。

11:15

花の窟

古代神話に興味がある私にとってここは大興奮の地です。
伊勢路を歩く前から楽しみにしていた場所のひとつ。
ここは国生みの神さま、イザナミノミコトの墓所だと言われています。

花の窟神社のご神体は高さ約45mの大岩。まさに古代信仰の磐座(いわくら)という感じ。
花の窟神社には拝殿がなく、大岩の下部にある大きな穴が、イザナミが葬られた場所とされています。

お参りしたあと、すぐ近くにある道の駅「熊野・花の窟」で、山川さんに古代米で作ったお団子を買っていただきました。
ごちそうさまでした。
さて、この日の古道歩きはここで、ひと区切り。山川さんともお別れです。

11:50

さぎりの里、通峠、丸山千枚田

花の窟神社から海岸沿いを歩いて熊野速玉大社へ向かう浜通りと、山間部を行き、熊野本宮大社へ向かう本宮道に分かれますが今の伊勢路のメインは浜通り。
本宮道の方も見てみたかったのでサポートの車で、見どころに連れて行っていただきました。

ちょうどお昼時だったのでさぎり茶屋でランチに岩清水豚をいただきました。
さぎり茶屋のある御浜町尾呂志(おろし)地区は気温の寒暖差により、朝霧が山を越えて郷の方に下りてくる気象現象「風伝おろし」も有名です。
数日前も出たそうです。明日の朝は早起きしてみよう!

本宮道の「通り峠」を歩き、山の上にある展望台から丸山千枚田を見下ろすことにしました。
通り峠は2.1km。苔むした石畳を20分ほど上がり、峠から展望台へ更に20分ほど登って…丸山千枚田を見下ろせる展望台に着きました。
ここからの景色はまさに絶景。千枚田という名の通り、約1340枚もの田んぼがあるそうです。
戦国時代にはすでに存在していて、そのころは今の倍ぐらいの規模だったとか。
よくこれだけの田んぼをつくりましたね。

15:10

湯ノ口温泉

国道311号を車でさらに西へ向かい瀞流荘にきました。
ここからトロッコ列車で湯ノ口温泉へ向かい改装オープンしたバンガローに泊まりました。
湯ノ口温泉は源泉掛け流しで露天風呂も広く、いい温泉でしたよ。
立ったまま入る立湯がめずらしかったです。
11日目に続く…。

11日目花の窟〜阿田和〜井田 
距離約8.5km

歩行距離:
約26.0km
行動時間:
約6時間30分
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
7:30

赤木城跡

残念ながら風伝おろしは見られませんでしたが、早起きしたおかげで時間があったので車で熊野市紀和町にある赤木城跡を見に行きました。
赤木城はこの地でたびたび起きていた一向一揆を鎮圧するために豊臣秀吉の家臣、藤堂高虎によって造られたお城。

伊勢路の浜街道へ戻る途中、国道311号沿いでおもしろいものを見つけました。
みかんの無人販売所がこんなにズラーッ。
販売所をのぞくとどれも一袋10個ぐらい入っていて100円。安い!

10:40

浜街道

さて、花の窟に戻ってふたたび伊勢路歩きを再開。
旧街道を歩いて行くと立石の道標があります。
「右はほんぐう 左はじゅんれい道」と書かれていて
直接本宮へ向かう人と那智へお参りする人がここで分かれたそうです。
私は左へ進み、ふたたび海岸沿いに来ました。

ここから防風林の中をお散歩道という感じで歩きます。樹林歩きに飽きたら防波堤に出ると海が大きく見えます。
史跡、市木の一里塚を見てまたまた防風林のなか、海岸沿いを進むと道の駅「パーク七里御浜」で御浜みかん祭りが行われていました。ちょっとみかん祭りに行ってみよう〜!
御浜町は「年中みかんのとれるまち」なんですね。

ちょうどお昼になったので道の駅の中にあるレストランでランチバイキングをいただくことに。
和洋いろいろなお料理を楽しめます。何を食べるか迷っちゃう…。
道の駅2階には柑橘類のレプリカが展示されていました。
柑橘類はたくさんの種類があり、セミノールとか、オレンジ日向とかあまり聞きなれない種類のみかんもありましたよ。
この道の駅ではジュースが天井から流れているオブジェや、
なんとジュースの工場があってガラス越しに見学ができます。
飲んでみたい〜!と思ったら1階の販売コーナーで売られているんですね。

パーク七里御浜から旧街道を歩きますが、この道沿いはいろいろな無人販売があります。
くだものや野菜。新聞。ほかに堆肥とか、米ぬかとか。
のどかでいいですね。
このあとしばらくは国道42号を歩き紀宝町に入りました。

今度は道の駅「紀宝町ウミガメ公園」。
ウミガメがいるって書いてあるけど剥製か何かだよね?って思っていたら…
本物がいました〜!
道の駅にウミガメがいるってビックリです。しかも、エサをやれるみたい。
ウミガメのほかにもフグやウツボなど、海の生き物が見られます。
販売コーナーでは生搾りジュースが飲めたり、名物のめはり寿司を買えたりします。

15:10

農家民宿「はなあそび」

井田の上野交差点まで歩いてこの日の伊勢路歩きは終了。
上野交差点から2kmほど離れた神内地区にある農家民宿「はなあそび」に到着。

はなあそびでは、いろいろな体験ができます。
そのひとつとして、おかみさんの名良子さんに神内神社に連れていっていただきました。
入口に立ったとき、そうとう古く(たぶん古代)から信仰されている場所だと直感しました。
参道には神武天皇御社と書かれた洞窟がありました。なんとも神秘的です。
急な階段を上がって「子安の宮」と書かれた門をくぐると御神体の巨岩が玉垣の奥に聳えています。社殿はなく、ご神体である巨岩を直接拝む古代信仰のなごりを見ることができました。続いて神内神社から400mほど手前にある原始時代の神殿跡といわれる「古神殿」と呼ばれる場所にも連れていっていただきました。ここは、古代神霊祭祀が行われ禰宜(ねぎ)姫という巫女が神のお告げを言い渡す場所だったそうです。まさに磐座ですね。
神内地区を一周してはなあそびに戻ってきました。

さて、夕食までまだ少し時間があったのでもうひとつ体験を。苔玉作りです。
お団子にした土を丸めてユキノシタとシダとミツバを植え、コケで包んだ苔玉作りです。
なかなかいい感じに仕上がりました。

さて、夕食はリビングで家族のようにもてなしていただきましたよ。
お料理は全部、名良子さんが用意してくださったもの。
お刺身はもちろんですが名良子さんとお父さんが作ったお米のごはんが最高においしかったです。

神内ではお祭りのときに豆(ピーナッツ)を入れた五目ごはんを作るそうです。
これがまたおいしくて、お昼用にも持たせていただきました。
はなあそびの名良子さん、お父さんに見送られて、さあ伊勢路最終日、出発します!
続く…。

12日目井田〜熊野速玉大社 
距離約2.0km

歩行距離:
約6.2km
行動時間:
約8時間35分
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
9:00

はなあそびを出発

伊勢路旅もいよいよ最終日。
はなあそびのお父さん、お母さんに見送っていただき、最後の行程をスタート。
熊野速玉大社をめざします。
ああ、伊勢路も残すところあと2kmです。

11:00

熊野川 三反帆遊覧船

速玉大社の対岸熊野川のほとりまで来ました。
熊野三山を結ぶ熊野川は「川の参詣道」として世界遺産に登録されています。
川の世界遺産は世界でもここだけ。
そこで、伊勢路旅のフィナーレを飾るイベントとしてこの三反帆に乗せていただきました。
三反帆は細長い帆が特徴の帆かけ舟。体験ツアーを企画している「熊野川体感塾」へ。
川面は日差しが強いということで笠をかぶって三反帆に乗り込みます。先頭は庄司さん。
川を少し遡ってみごとな柱状節理が見られる場所に案内してくださいました。
周囲の景色を見ながら徐々に下流へ。
国道や紀勢本線の橋も見えてきました。
紀勢本線の橋をくぐったところで…ばーんと帆を張ってくれました。風をはらんで優雅な感じです。

そして熊野川の対岸、速玉大社の入口近くに着きました。
庄司さん、速玉大社近くまで送ってくださってありがとうございました。

13:00

熊野速玉大社

熊野川の河原から上がるとすぐに熊野速玉大社。
伊勢を出発して12日目。
ついに目指していた熊野速玉大社に到着しました〜!
境内を進み、拝殿へ。
特別参拝をし、祝詞をあげていただきました。

その間、伊勢路での出来事を振り返るとともに
無事に歩けたこと、とても充実した旅になったことを深く感謝しました。
でも、楽しい旅がこれで終わってしまうという虚無感も湧いてきました。
そんな時、参拝の最後に神職の方が、「伊勢路を歩いた経験をもとに明日からまた新しい一歩を力強く踏み出してください」というお言葉をくださったのがあたたかく心に響きました。

14:00

神倉神社

速玉大社に着いたことで、今回の伊勢路はゴールを迎えたのですが…
あれ?なにこの階段〜!
そう、速玉大社には摂社の神倉神社があり、熊野大神が一番はじめに降りた場所とされる聖地なのです。神社は神倉山にあり、そこへは500段を超える急勾配の階段を上らなければなりません。最後の試練だ〜。
ゴトビキ岩という大岩の下に神社が祀られていました。ここからは新宮の街が一望できます。
足元には馬越峠でも見たアサマリンドウが群生していました。

熊野那智大社

さて、この日はまだ少し時間があったので車に乗せてもらい20kmほど移動して熊野那智大社にも行きました。
伊勢路をゴールしたとはいえ熊野三山にお参りをしないと私としてはスッキリしないので…。
またまた山を登って熊野那智大社に来ました。
那智の滝、大迫力ですね。
ここは神仏習合の修験の地であったため大社の横に青岸渡寺があり
そこからは三重塔と大滝という日本らしい景色を楽しめました。

帰宅日熊野本宮大社と紀勢本線の旅 

熊野本宮大社

翌日、新宮駅から出るバスに乗って残りの熊野本宮大社へ。
ここでお参りを済ませたとき私の伊勢路旅も本当に終わりなんだなぁとちょっぴりさみしい気持ちになりました。

熊野本宮大社をあとにまたバスで新宮駅まで戻り、紀勢本線の特急で名古屋に向かいました。
紀勢本線は伊勢路に沿うようにつくられていて、歩きながら何度も何度も線路を渡ったっけ。
だから、電車からの景色はどこも見覚えがあって伊勢路旅を遡るようでした。

いろいろなところを見てたくさんのことを知り、三重が大好きになりました。
できれば伊勢路をもう一度歩きたい。
最後に…
熊野へ参るには紀路と伊勢路とどれ近し どれ遠し
広大慈悲の道なれば紀路も伊勢路も遠からず
         〜梁塵秘抄〜
ありがとうございました。

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