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山岳ライター小林千穂さん 熊野古道伊勢路ブログ
【4日目】
三瀬谷〜三瀬谷峠〜伊勢柏崎(距離約14.5km)
- 歩行距離:
- 約26.4km
- 行動時間:
- 約7時間30分
- ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
- ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。
台風が過ぎるのを三瀬谷駅近くの旅館萬栄で過ごしました。
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翌朝、雨は上がりましたがまだ風が強かったので予定より1時間遅らせて9時ごろに出発。
あとのスケジュールがあるので、前日に歩く予定だった栃原〜三瀬谷の約12km区間は宿題として残し、とりあえず先へ進むことにしました。
三瀬谷のあたりも、昨日から丸一日雨がひどかったですが、大きな被害はなかったようです。
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紀勢本線を越え、宮川に向かって歩いていきます。
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宮川手前に青いタイル張りのおしゃれな民家を見つけました。
丸窓がかわいいです。
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国道脇にある船木橋で宮川を渡ります。
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この橋の橋脚部分はレンガ造りになっています。
明治38年に造られたものなんですって。
橋を渡り終えたところからよく見えますので、振り返ってみてください。
さすがの大雨で宮川も水が増していますが橋はびくともしません。
橋の先で左折して宮川に沿うように東へ向かい、尾根を大きく巻きます。
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途中、4kmごとの道標がありました。
新宮まで130kmです。
ブログの記事の長さにしてはあまり数字が減ってない?(笑)
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三瀬坂峠の入口まで車道歩き。
道脇の景色や家を眺めながらのんびり歩きます。
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三瀬坂峠に入る前に多岐原神社に寄り道。
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ここは伊勢神宮(内宮)の摂社。
マンガの案内板にも書かれていますが倭姫命(やまとひめのみこと)が速い流れの宮川を渡ろうとしたときにこの土地の神さまである真奈胡神(マナコノカミ)が渡りやすいところを教えて助けました。
その縁でここに神社があるそう。
祭神は真奈胡神です。
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このあたりは美しい土地だといわれていますが神社もその周りの竹林も静かでとっても雰囲気がよかったです。
この先から2つ目の峠、三瀬坂峠を越えます。
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ここは暑い時期はヒルがいるそうです。
数日前に歩いた人もヒルがついたというので念のために虫除けスプレーで対策をしました。
西表島でお腹までヒルが這い上がってきて
ひぇ〜〜〜ってなったので用心、用心。
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峠の入口には杖が用意されていましたよ。
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茶畑を見ながら坂を登り始めます。
しばらく未舗装の林道を歩いてやがて山道に入ります。
山道は前日までの雨で小沢のようになっていました。
その沢のあちこちにサワガニがいたので動画に撮ってみました。
1分ぐらいです。よかったらどうぞ。
サワガニ、子どものころにとって遊んだけど
今もこんなにたくさんいて、びっくりしました。
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峠には宝暦6年に造られたという宝暦地蔵が祀られています。
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台風の直後で枝や葉っぱがいっぱい落ちていますが普段はきれいにされているそうです。
峠を反対側に越えると4km道標がありました。
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新宮まで126km。
亀の歩みだけど(ブログが)、確実に進んでいます。
あ、ヒルはまったく見かけませんでした。
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三瀬坂峠を越えると国道42号に出ます。
国道沿いに続く旧街道を歩いて瀧原宮をめざしました。
瀧原宮は長い歴史をもつ神社で、周囲は深い森が残っています。
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神社境内の外側にもこのように大きな杉が何本も生えていました。
この杉も樹齢数百年でしょうか。
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瀧原宮に到着。
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台風直後にもかかわらず、
境内はきれいに掃き清められていました。
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瀧原宮は伊勢神宮の別宮。
天照大御神(あまてらすおおみかみ)が伊勢に落ち着く前、一時期ここに祀られていたんですって。
だから元伊勢とも言われているんですね。
社殿は杉の大木を中心に左右に同じものが2つ並んでいます。
向かって右側が瀧原宮で、左側は瀧原竝宮(ならびのみや)。
それぞれ天照大御神の和御魂(にぎみたま)と荒御魂(あらみたま)が祀られています。
難しくて私もよくわからないのですが、神さまは和やかで平和的な性質(和御魂)と荒々しく勇猛な性質(荒御魂)の二面性があり、ここではそれぞれに分けて祀られているようです。
ちなみに瀧原宮は4年前に来たことがあります。
瀧原宮にお参りしたあと
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すぐ近くにある道の駅「奥伊勢木つつ木館」に寄りました。
なぜなら…
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ここにスタンプスポットがあるからです。
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新しいスタンプゲット!
順調に集まっています。
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ここでお昼としました。
道の駅はお手洗いもあるし歩き旅にも、とっても便利ですね。
さて、伊勢路に戻って先へ進みましょう。
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瀧原宮の先、道の反対側に古い学校(?)がありました。
伊勢路には今では珍しい古い建物が多く残っているので見つけるのが楽しみになっています。
お、今度はかわいい看板発見。
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古民家カフェ?
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おもしろそう。
これはスルーできないですね〜。
さっき、お昼を食べたばかりだけど寄っていきますか!
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ということで、ランチのデザートはほうじ茶プリンにしました。
三重県産の牛乳、卵、ほうじ茶を使っているそうですよ。
プリンの種類は日によって違うんですって。
ここはランチもやっていて、お食事には明治時代の食器も使っているとか。
店内は撮影禁止なので写真は撮れませんでしたが築130年だそうで、落ち着いた雰囲気。
時間があれば、のんびりとしたいステキなお店でした。
あ…
また寄り道してしまいました。
先へ進みましょう。
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この建物も古そうです。
蔵がある大きなお宅でした。
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旧街道沿いをてくてく。
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大紀町役場前を過ぎると国道に出ます。
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歩道橋を渡って
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国道の反対側に続く旧道をふたたびてくてく。
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大宮小学校・中学校前を通過。
どちらもりっぱな建物でした。
ここの小・中学生は9年間ほぼ同じところに通うのね〜。
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通る車もまれな、静かな道をいきます。
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その先はしばらく国道42号の歩道。
その国道でこんな標識を見ました。
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へぇ〜、ここから浜松まで161kmかぁ。
気が遠くなるほど遠いなぁ。
浜松は名古屋のさらに向こうだから、そのくらいの距離はあるよねぇ。
(静岡出身なので、そちら方面の土地勘はある)
とつぶやいたら、この日、いっしょに歩いてくれたサポートMくんが、
「でも千穂さんが歩いている伊勢路は170kmですよ」と…
愕然とすることをさらりと言いました。
えー!!!
伊勢路ってそんなに長いの?
ここから浜松へ行くより長いの!
170kmというのはもちろん知っているけど、この時はじめてどのくらい長いかを実感しました。
わはは。
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浜松まで161kmの標識を見て伊勢路の長さにテンションが上がった私。
国道と離れて伊勢路に指定されている旧道を元気に歩いていきます。
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紀勢本線を渡りました。
そうそう、伊勢路は何度か線路を渡るのですがなんかサッパリした線路だなぁと思ったら電車の架線がないんですね。
電気じゃなくてディーゼルエンジンで動いているそうです。
だから、通過するときガーッという聞きなれない音がします。
動力が電気じゃないということは…
電車ではないですよね。
なんて言うの?
列車? 気動車?
阿曽の家並みを見ながら歩いていると阿曽温泉の看板を見かけました。
今日もいっぱい歩いたし、脚が張ってきたので温泉に寄って行こう〜。
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阿曽湯の里は大紀町営の温泉施設。
小学校だった建物を改装、再利用しているそうです。
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廊下や教室の雰囲気が残っていておもしろかったです。
温泉はさらりとした感じ。
香り、色はほとんどありません。
長湯するとそのあと歩くのがつらくなるのでさっと上がりました。
汗を流せて気分リフレッシュ!
長距離を歩く場合途中で温泉に入るのもいいものですね。
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温泉からしばらく行くと例の4km道標がありました。
新宮まで118km。
いっきに減った(気分)。
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大紀町のこのあたりはお手洗いやあずまやがちょこちょこあって助かりますね〜。
車だとたいして気にしないですが、長く歩いてみるとこのような施設のありがたさが身にしみます。
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水田も広がるのどかな風景を楽しんで
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柏野の民家の間を歩きます。
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旧道からちょっと上がったところにある宝蔵寺にお参りしましょう。
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柏野大橋で大内山川を渡ります。
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橋向こうのたもとにあるのは垣内後(かいとじり)庚申塚(コウシンヅカ)。
厄封じとして集落の入口などで見かけますよね。
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柳原公園。
ここにもお手洗いがあります。
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その先に大皇(だいこう)神社がありました。
「おおすめら」と読むのかと思ったらそのまま「だいこう」なんですね。
社殿へ行くには石段を上がらなければなりませんが雰囲気がいいので時間があれば立ち寄ることをおすすめします。
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夕暮れ時に行ったこともあるかもしれませんが凜とした空気が流れ、独特のがあるなぁと見回していたら
Mくんも同じように感じたようで「今までの神社でいちばん好きかも♡」って言っていました。
ここには惟喬(これたか)親王が主神として祀られています。
惟喬親王といえば平安時代前期、文徳(もんとく)天皇の子で木地師の祖といわれる興味深いお方。
なぜこの地に祀られているのかとっても気になります…。
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この先で直売所の山海の郷紀勢に寄って
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スタンプゲット。
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山海の郷紀勢ではカツオの生節、サンマの開きなどいろいろな海産物を買うことができます。
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柏崎支所まで来ました。
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支所前に4km道標があります。
それより、ここのしだれ桜がすばらしいです。
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花の時期はどれほどきれいでしょうね。
この木を見たとき、春にもきて見たいなぁと思いました。
柏崎支所から今日の宿、紀勢荘はすぐですがもう一箇所寄り道。
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大蓮寺です。
ここは花のお寺として知られ境内は手入れが行き届いています。
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ホトトギスが咲いていました。
お寺の方は旅人に親切で、本堂にも寄っていってと声をかけてくださったのでおじゃましました。
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本堂にお参りし、ちょっと休ませてもらいました。
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紀勢荘に到着。
今日も長い1日でした。
紀勢荘、とってもいいお宿だったので次の記事で紹介しますね。
お楽しみに。