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山岳ライター小林千穂さん 熊野古道伊勢路ブログ

【1日目】
伊勢内宮〜外宮〜田丸(距離約13.5km)

歩行距離:
約20.4km
行動時間:
約8時間
  • ※歩行距離はGPSログによるものです。いろいろ寄り道したところも計測されていますので、実際の距離とは異なります。
  • ※行動時間は歩行時間だけでなく、昼食や休憩、寄り道した時間も含みます。

朝、伊勢市のホテルを出発し、まずはバスで内宮へ向かいました。
※神宮の習わしでは外宮へお参りしてから内宮へ行くのが正式な順序なのですが、伊勢路を歩く行程の都合上、今回は内宮へ先にお参りさせていただきました。

内宮に到着。

大きな鳥居が迎えてくれます。(私が小さいのか?)

ここに来るのはちょうど4年ぶりです。
前回は神社や古代史にとっても詳しい友人との2人旅でした。

マニアックな神社巡りをしていますので興味がありましたら前のブログ記事もご覧ください。

朝早く来たので人が少なく、静かにお参りすることができました。

4年前は遷宮されたばかりで建物がピカピカだったのですが時が経って、周囲の自然に馴染んできているなぁと思いました。

さあ、お参りしたら歩き旅のスタートです!
と言っても、やっぱりおはらい町、おかげ横丁は行かないと。

ここもまだ静かで、ゆっくり散策できました。

うん?
かわいいものがたくさんあるお店を発見!

神々のお面ですって。20種類もあるのね。
これはおみやげにぴったり。

ということで、さっそく買ってしまいました。
歩き始めたところなのに…。

さらに鈴玉も買いました。
ほらほら、鈴はクマ除けにも使えるしね。

干物屋さんにもふらり…。

うーーー
マンボウ⁉
あぁ、びっくりした〜。
マンボウも干物になるんですね。

と、思ったら…

うわわわわ〜!!!!
なにこれ〜?

エイリアンかと思ったらエイの干物でした。
どうやって食べるんでしょう?

さて、伊勢といえばやっぱりここ
赤福本店です。
建物もりっぱですね。

裏手の橋から見ると趣のある建物がよく見えます。

朝ごはんを食べたばかりだけどしっかりいただきました。
あんこの線は五十鈴川の水面、白いお餅は川底の小石を表しているそうです。

おかげ横丁に入り…
神話の館前でまたまたかわいいもの発見!

にゃー。
なんかに似ていると思ったら、うちのみっちゃん(夫)でした。
よく畳の上で、こんな格好で寝てます。

そうそう、干物屋さんに行くと

「さめのたれ」というものが売られています。

さめのたれってなんだろうと思って魚春さんで聞いたら
サメの干物だそうです。

サメを垂らして干すから「たれ」と言うのだそう。
この辺りでは干物のことをタレと言うとも聞きました。
買いたかったけど、これから何日も持って歩けないので帰ったら注文して送ってもらおうと思います。

次は伊勢醤油のお店〜。

伊勢醤油は三重県産の大豆から作られ、たまり醤油と濃口醤油の中間ぐらいの味だそう。
これもおみやげに買いました。(初日からどれだけ買うのかしら)

このお店ではソフトクリームやプリン、あげまんもありました。
お醤油の香ばしさは甘いものにも合いますものね。

甘いものといえばこれも忘れちゃいけません。
へんば餅です。

甘いあんこがお餅に包まれ赤福とはまた違ったおいしさでした。
昔の人もここでお餅を食べて歩く力をつけたのでしょうか?

おはらい町通りを満喫し…
そろそろまじめに歩かないとね。

さて、内宮にお参りし
おはらい町通りで内宮おかげ参道という地下道を歩きました。

こんなハートの石がはめ込まれた石垣があるので、見つけてみてください。

そして宇治浦田観光案内所に寄りました。

その目的はこれ
スマホで集めるスタンプラリーのスタンプがもらえるのです。

ここにあるQRコードをスマホで読み取るとスタンプがもらえます。
伊勢路のスタンプをすべて集めると記念品をもらえるようですよ。

ということで私もこれから集めていきたいと思います。

さてさて
内宮を離れて猿田彦神社に寄りました。

猿田彦大神は天孫降臨のときに道案内をした神さま。
道中安全の守り神と言われています。

伊勢路旅の安全を願ってお守りを授かりました。

岩座さんで買った鈴とお守りをサコッシュに付けて、また出発。

猿田彦神社から住宅地を歩いて古市に来ました。

神宮をイメージしたオブジェがある交差点を過ぎると

伊勢古市参宮街道資料館に到着します。
ここに立ち寄って古市の歴史について教えていただきました。

古市は江戸時代、とても栄えた歓楽街だったそう。

男の人は遊郭へ、女の人は歌舞伎を観て楽しんだんですって。
熊野への険しい道のりを歩く前のパラダイスのような場所だったと館長さんがおっしゃっていました。
でも、明治以降だんだんと衰退し、さらに大火や戦争でその頃の建物はほとんど残っていません。

それでも古市を歩くと

芝居跡や

備前屋という遊郭の跡を示す石標があり、往時をしのぶことができます。

古い造りの家もあって街道らしい雰囲気でした。

勢田川を渡ると外宮はもうすぐ。

外宮前に到着です。

ここにある観光案内所で

2つ目のスタンプをゲット!

その後、外宮にお参りしました。

外宮も緑がきれいで落ち着きます。

外宮を辞したら近くにある食堂でお昼。
もちろん…

伊勢うどんをいただきました。
長い時間茹でた、とってもやわらかい名物うどん。
おいしかったです。

さ、ここから田丸をめざして歩きます。

ここから新宮まで166kmとあります。
まだまだ遠い。
歩きとおせるのかという気持ちと同時にこの先、166kmも旅が楽しめてぜいたくだと思いました。

県道22号の歩道をてくてく歩いて筋向橋(すじかいばし)まで来ました。
かつて、ここは宮川の支流清川が流れていましたが今は暗渠になり、橋の欄干だけが残されています。

その先は昔ながらの商店街。

昭和の雰囲気が残っています。

商店街を抜けると宮川堤に着きました。

堤の上に上がり、桜並木を歩きます。
春はきれいでしょうね。

並木の間からは、これから進む対岸がよく見えましたよ。

宮川に架かる橋、渡会橋まで来ました。
でも、これを渡る前にまたまた寄り道。

橋のたもとにあるたい焼き屋さんでひと休み。
三重県の方がおいしいからぜひ食べていって!とすすめてくださったのです。

焼きたてのアツアツをだしてくださいました。

外はパリパリ、中はもっちりでおいしかったです。
あんこはもちろんおいしいですが私は生地が好きでした。

こんなメニューもありましたよ。

おぜんざいの上にたい焼きが浮かんでる〜♡
注文しようか5分ぐらい葛藤しましたが、さすがにお腹がパンパンなのでこれは次回の楽しみにします。

さらにお腹が満たされたところで渡会橋を渡ります。

清流で知られる宮川、長雨が続き、少し増水していましたがそれでも水がきれいでした。
橋の上から川底の石もはっきり見えましたよ。

昔はここを舟で渡っていたそうです。

ここからまた旧街道の雰囲気がある道を進みます。
ここで思わず二度見してしまうお店を見つけました。

町でよく見かけるクリーニング屋さん。

でも、お店で売られているのはチュロス、揚タコ、唐揚⁈

しばらくすると2つ目の道標がありました。
新宮までの距離、ちょっとだけ減った?(笑)

家並みを抜け、田園風景広がる道をズンズン行きます。

見渡す限りの田んぼ。
のどかでいいところですね。

城田(きだ)小学校が近づくと下校中の子どもたちと会いました。
みんな、すれ違うときにあいさつしてくれてうれしかったです。

小学校前のみよしやさんってなんだろうと思って入ったら…

なんと駄菓子屋さんでした。

昔ながらの駄菓子屋さん
今もあるんですね〜。

イマドキの駄菓子(女子的チョイス)。

4つ合わせて75円でした。
100円あればかなり楽しめます。

参宮線の踏み切りを渡ると今日の目的地、田丸です。

参宮線を渡り、田丸という地区までやってきました。

田丸城をめざして歩いているとき、下水路のラインがカクカクしていることに気づきました。

どうしてこんなふうになっているんだろうと思ったら

武者隠しといって城下町の造りの名残だそうです。

こんな説明板がありました。

おもしろいです。
こういう細かいところを見られるのは、歩き旅ならではかもしれませんね。

はせ街道と熊野街道の合流点道標を見たら、伊勢路をちょっと外れて田丸城跡へ寄り道。

南北朝時代に築かれたお城だそうです。

今残る石垣は戦国時代、織田信雄(のぶかつ・信長の子)によって築かれたと伝わります。

野面積みの石垣が美しかったです。

当時にこれだけの石を積むのは、たいへんな労力だったでしょうね。

天守跡まで上がると

今日、歩いてきた道が見渡せました。

そして反対は…

明日、歩く道。

またちょっと新宮に近づいた。

そして、スタンプは3つ集まりました。

初日の宿は田丸駅近くの栄亭。

おかみさんは、熊野古道世界遺産登録10周年(2014年)の時に全部歩いたそうです。

その時の記念バッジが入った額が、すっごくまぶしかった〜!
今は残念ながらバッジはありませんが、私もスタンプを集めて記念品をもらいたいと思います。

おかみさんは伊勢路のこと、詳しいのでこれからのコースについていろいろ教えていただけますよ。

設備はシンプルですが居心地のいいお宿でした。
さて、2日目はどんな旅になるのかな。